お菓子屋さんは、お菓子を製造するにあたり、【 オーブン ・ ミキサ ・ 食洗器 ・ ショーケース 】など沢山の電力を必要とします。
家庭用の機材とは異なり、業務用の機材のほとんどは動力が主流となります。お菓子屋さん開業にあたり、どの規模の機材を導入するのかにもよりますが、『三相200V』を必要とする機材を導入する場合は、動力が必要となります。
動力を導入するには初期費用・固定費・日々の経費が掛かってきます。
小さなお菓子屋さんにとって、この経費を抑えることが重要になってきます。
そこで、私のお店では【電子ブレーカー】を買取で導入する事でそれらの経費を全て抑える事ができています。ここでは、『動力とは?』『 電子ブレーカーとは? 』を詳しく解説して行きたいと思います。
また、動力を引くことの出来ない地域も存在しますので、『物件探し』の段階の方は以下の点にも注意しながら、物件探しをしてください。
電力の種類
電力には 【 低圧電力 ・ 高圧電力 】の2種類があります。使用する容量が50kW以上の場合は高圧電力を、50kW未満の場合は低圧電力を利用します。
お菓子屋さんの場合、導入する機材によっては50kW以上になってしまう事もありますが、電子ブレーカーを導入する事で、50kW未満に抑える事が出来、低圧電力の契約に収める事が出来ます。
高圧電力
- 契約電力は、おおよそ50kW以上
- 6600Vの高圧電力を施設内に設置されたキュービクルで受電。
- キュービクルで100Vや200Vに変圧し、電気を使用。
低圧電力
小さなお菓子屋さんの様に、電力使用規模が比較的小さい施設が対象の電力契約。具体的には、契約電力が50kW未満の施設を指す。
- 契約電力はおおよそ50kW未満
- 柱上変圧器で100Vと200Vに変圧された電気を受電。
- 電気はそのまま使用。
動力とは?
動力とは、 機械等を動かすために必要となるエネルギーのことで、 業務用等の消費電力「三相200V」を動かすのに必要な電気のこと。
業務用の機材は電力ではなく動力でなければ使えないものも少なくありません。
動力を使用するにあたっては電力会社に電力とは別に動力の契約が必要になります。
電力と動力の違い
業務用機材の中には電力で使える業務用機材もあります。しかし、稼働時間が長い業務用機材は動力と比較すると、電気代が多くかかってきてしまいます。
長時間稼働する機材の導入を考える場合、電気代の節約を考慮し、動力の契約をおすすめします。
小さめの店舗の場合電力にするか動力にするか迷うところですが、エアコンや冷蔵庫をフル稼働させおーなければいけないような店舗ならば、動力導入を考えてもよいかもしれません
また、電気をあまり使わない店舗の場合は、家庭用の電力プランで利用可能な機材を選択する事をおすすめします。
電力(従量電灯)
電力とは、一般的に家庭で使われている電気の事。使用するA(アンペア)が大きいほどお基本料金が高くなる仕組み
コンセントタイプ
2つ穴タイプ
電力
単相100V・200V
特徴
- 基本料金が安い
- 電力量が増えるほど料金は割高
動力(低圧電力・高圧電力)
動力とは、業務用の機材など大きな機械を動かす事に必要な電気の事。
コンセントタイプ
3つ穴タイプ
電力
三相200V
特徴
- 基本料金が高い
- 電力の単価が安い
- 電気をたくさん使う業務用には有利
動力を利用するには契約と電気工事が必要
動力を引き込むには電力会社と専用のプランを契約する必要があります。
動力設備は動力盤から機器までの配線を指す電気設備でした。電気を発電所で創り、送電し、受電し、変電し、配電し、使用するのが電気です。電力会社などの発電所から創られる電気はそのまま機器で使用できないものなので、変電する必要があるため、工事が必要になります。
キュービクルと電子ブレーカー
キュービクルとは?
キュービクルとは、発電所から送られてくる6,600Vの電気を、施設で使える100Vや200Vの電気に変圧する機器を金属製の箱(筐体)に収めたもの。コンビニや工場の外に設置されている変圧設備。
電力会社の定めで、設備容量が50kwを超えた場合は高圧契約に切り替わります。高圧電力を利用するにはキュービクルが必要になってきます。
キュービクル導入価格はおおよそ200万~600万円程度とされており、小さなお菓子屋さんが導入するには高額の変圧設備となります。
電子ブレーカーとは?
電子ブレーカーとは、電気代削減・省コスト機器として開発されたブレーカーで、実際に流れている電流値を感知することによって回路の遮断を行っています。設置対象は、低圧電力を利用するお店です。
お菓子屋さんが電子ブレーカーを導入する、一番のメリットは、
高圧電力契約になってしまうかもしれない電力を低圧電力契約内に収める事が可能な場合もある。と、いう点です。
電子ブレーカーの導入方法は2パターンで、【購入・リース】となります。
電子ブレーカーの電気代削減の仕組み
- 電子ブレーカーの導入でキュービクルを導入する必要もなくなり、初期費用の削減が可能雄です。
- 電気代は「基本料金」+「使用料金」で構成されています。電子ブレーカーを導入する事で、電気の契約電力の改善に繋がるため、固定でかかる基本料金が削減する事が出来ます。基本料金【固定費】の削減は変動費とは異なり安定的な経費削減に繫がります。
電子ブレーカー導入検討の注意点
ちいさなお店の場合、動力を導入するから、電子ブレーカーは必ず導入!!という訳ではありません。
2段以上の電気窯もしくは、コンベクション+食洗機があれば必要になってくると言われていますが、お店ごとに状況は異なり、実際には稼働時間など事前調査を行い、計算してみなくては導入が本当に必要か分かりません。
導入しない事でコスト削減を見逃してしまうのももったいないですが、導入の必要がないのに導入してしまうのも無駄になってしまいますので、
契約会社の方に稼働時間も含め計算して頂き、本当に電子ブレーカーの導入が必要なのかを見極めて導入を検討して下さい。
電子ブレーカーの導入は2パターン
買取
電子ブレーカーの機械を買い取り自分の所有物として利用する方法。
費用
電子ブレーカーの相場価格は50万前後。初期費用として50万前後がかかってくる。
リース
電子ブレーカーを取り扱っている企業から電子ブレーカーを一定期間借りて、利用する方法。
費用
リースの場合初期費用はすくなくて済みます。
何年リースにするのかにもよりますが、長く使う事を前提に考えた場合、買取よりも全体の費用はかさんでいると言えます。
リース契約する際の注意点
- 途中解約が出来ない。
- 買取希望にも関わらずリースを勧められる。
- 7年後に取り替えで再契約が発生する。
途中解約が出来ない。
リース契約は1度契約を締結すると、中途解約をすることが出来ません。電子ブレーカーの法定対応年数が、電気設備扱いとなり15年にあたるため、電子ブレーカーは『7年の契約期間』が基本となることが多いです。この場合、7年間は解約できませんので、注意が必要です。
買取希望にも関わらずリースを勧められる。
十分に料金の説明をせず高額なリース契約を結ばせるというような業者も存在します。買取希望の場合はしっかりと自分の意志を伝える様にしましょう。
また、強引にリース契約を勧めておいて、途中で計画的に倒産するといった詐欺も発生している様ですので、業者を選択する際は十分に注意して契約してください。
断然、買取がおすすめ
電子ブレーカーを買取かリースかで考えるポイントは以下の2点です。
- 初期費用を準備できるか?
- 7年以上の営業継続を見込めるのか?
電子ブレーカーを導入する初期費用で約50万円前後必要と言われています。しかし、キュービクルの導入と比べれば断然低価格といえます。
また安定的に固定費が下がり、毎月の使用料も圧縮できるのであれば導入する価値が十分にあると言えます。
買取とリースの2つの契約プランがありますが、初期費用(50万前後)を用意する事が出来、7年以上の営業継続を見込めるのであれば、断然買取をおすすめします。
リースを契約する場合は、【途中解約が出来ないこと・契約会社が詐欺会社出ないか】を考慮し契約をする事を忘れないでください。
リースは固費費になります。会社の経営が安定していない場合は、固定費(リース料金)が負担になることも考慮して電子ブレーカー導入を検討してください。
まとめ
- 電力には【高圧電力】と【低圧電力】の2種類がある。
- 高圧電力を利用する場合キュービクルの導入が必要になり、高額な初期費用が掛かる。
- 低圧電力で抑えるには50kW未満に抑える必要がある。
- 電子ブレーカーの導入で、50kW未満に抑える事も出来る。
- 業務用機材で三相200Vの機材には動力の契約が必要。
- 動力を利用するには契約と工事が必要。
- もともと50kW未満でも動力を利用する場合は、電子ブレーカーの導入で電気代の圧縮をする事が可能な場合もある。
- 電子ブレーカーを導入する意味があるかしっかり確認する。
- 電子ブレーカーには買取とリースの2種類の契約方法がある。
- 自身の予算と営業継続可能な年数を算出し、どちらを利用するか検討する。
お店を運営して行く上で、準備段階からコンセプト設定やブランディングを行い、他店と差別化を行っていくことで、小さなお菓子屋さんでも運営がうまく進むようになります。
お店の運営についてのマーケティング戦略は以下で詳しく解説しています。