オンラインショップにどんなイメージをお持ちですか? コロナウイルスが蔓延すると共に自粛生活が始まり、以前より確実にオンラインショップが買い物をするツールとして一般化してきました。
オンラインショップに対するハードルとは?
店舗販売のみで経営してきたお店(特に職人肌の方・自分はアナログだと自負している方にとってはオンライン・ショップは不安や不信感があり、踏み出せないのではない事が多い様です。
原因は以下の理由が大半を占めているのではないではないでしょうか?
◉“見えないお客様へ販売する”という不安。
◉“店舗自体の価値が低下するのではないか?”という疑念感。
◉“遠方の発送先で破損したら・・・”という恐怖心。
◉“そもそも、売れるのか?”という心配。
◉“パソコンに向かうならお菓子を作りたい”という時間的制限。
◉“手数料”を支払わなくてはいけない事への金銭的心配。
◉“設定が難しいのではないか”“自分はアナログだ”“めんどくさい”という心理。
それでは、ひとつづつ整理してみましょう。
見えないお客様へ販売する事への不安
お店のコンセプトやお菓子の方向性を理解してくれているか
私がwebを通じて予約・販売を取り始めた時に、1番心配したのは、
『お店のコンセプトや方向性を理解してくれているだろうか?』ということでした。
お店にご来店してくださるお客様は、少なからずお店の雰囲気や並んでいる商品を生で見て、肌で感じてご購入してくださいますが、
instagramやTwitterのアイキャッチや話題性で購入された方が、自分が作っている方向性とは別の方向へ期待をして購入してるのではないか?
人それぞれ感性が違い、良いとする物か違います。そんな中でも、 折角購入いただいたからには『喜んで欲しい』『気に入ってリピートしてくれたら嬉しい』という思いがある中で作っているのに、
『思ったのとは違かったった・・・』と、がっかりさせてしまうのは本意ではない
解決方法・購入カートは公式ホームページ内に置く
基本はお店の公式ホームページだけの販売とし、外部ショッピングサイトにはあたり構わず出店せず、 お店のコンセプトやお客様の層が一致するところのみにしました。
お客様の層が一致しないサイトに出店すると、トラブル(コンセプトや方向性が理解されてないまま購入)が起きる可能性が出てきてしまうからです。
小さなお菓子屋さんは頻発するトラブルに対応出来る程の能力(スタッフ数や生産性)は持ち合わせていません。
トラブルが起きてしまうと、その他の製品の製造もストップされてしまう為、そういったトラブルを回避する事が必要だからです。
逆に、お客様の層が一致していれば、お客様もお店に対して寛容的な考えの方が多いのでトラブルも起きにくく、お店の宣伝・ファン獲得にも繋がります。
ある程度認知されてくれば外部サイトは手数料が高額な為、経営的には出店の必要は無いと考えています。
また、大手の大型ショッピングサイト内にカートを置いたりinstagram内のダイレクトメールでの購入受付を一切やらずに
SNSからも、一度公式ホームページを訪れて頂く様にしました。 そうする事で、お店の世界観やお菓子の方向性を理解して頂き、納得した上でご購入頂ける仕組みづくりをしました。
「ちゃんと、お支払いをしてくれるだろうか?」
まず、支払いが済んでないお菓子は一切作らない・発送もしないと決めました。 お店に陳列している商品で、すぐに発送出来るものは問題ないのですが、
限定品や賞味期限が短いものはロスになってしまうからです。
オンライン・ショッピングを始めた当初、【着払い】・【銀行払い】の2種類を採用していました。
そもそも、“冷やかし”や“イタズラ”の注文でした。その注文はお店がTVで紹介された後に起きました。 TVで紹介された事で、普段の集客方法では集まらない層の方が集まってしまいました。
とっても沢山の注文をしてくださいましたが、着払い(商品代+送料)で発送後 その商品は受け取ってもらえず、賞味期限が切れる寸前にお店に戻ってきました。
こちらからも配送業者さんからもお受け取り頂ける様に連絡しましたが電話口では”笑い声”のみ。 配送業者さんによると、こちらのお宅は私のお店以外からも、
着払いで注文し➡︎受取拒否、配送事業所留めの沢山の商品があると教えてくださいました。 お店の損害は【商品代+往復の送料】でした。
この一件があり、着払いは基本的には受け付けない事にしました。(お得意様や相手の身元がわかる方に頼まれた場合のみ)
銀行払いには5〜7日程の支払い猶予を作っています。 ネットバンクでワンクリックで銀行支払いが出来る方だけでなく、ATMで支払いをする方もいらっしゃるのではないか?と考えました。
すぐに発送できる様に仕込みをしたいが、支払われなかったらどうしよう・・・と、仕込みを始められず この支払い待ちの5〜7日間ヤキモキします。
猶予の間支払われれば問題ないのですが、5〜7日間の猶予の間に購入したいという気持ちが冷めてしまう事(カゴ落ち)もあります。 ロスはでないのですが、あんなにヤキモキしたのに、結果支払われないと本当にがっかりした気持ちになり、メンタルがやられます。
オンライン・ショップを始めた当初、クレジットカード決済は、手数料がかかる為抵抗がありました。しかし、銀行振り込みでは『カゴ落ち』が起きてしま可能性が高く、もし、その『カゴ落ち』してしまった注文が支払われていたら・・・と言う事を計算すると クレジットカードの手数料の方がずっとお得だという計算にたどり着きました。
◉現在の採用している支払い方法
現在はこれらの支払いトラブルを考慮して 【銀行振り込み】【クレジットカード払い】の2択に絞っています。
現状この2つで問題なくオンライン・ショップ経営は出来ています。
コンビニ払いや〇〇pay払いは導入したい方はしても良いと思います。
大きなお店や、不特定多数に販売したい場合は必要ですが、そもそも、生産能力の低い小さなお店は手広くやらなくても経営出来ます。
なぜなら、前にも述べた様に、『お客様の層が一致した集客』が出来ていれば、お店に対しても寛容的なお客様が殆どですので、最低限の『銀行払い』『クレジットカード払い』で問題ないと考えております。
お菓子作りを厨房でしているオーナー自身が店頭に立って接客する時間は少ない。
常連さん、お得意様以外のお客様への対応はどうしていますか?
私自身お店が混雑した場合や、常連さん・お得意様・知り合いがご来店くださった場合以外は、お菓子の仕込みが進まなくなってしまう為、店頭には立つ時間はありません。
つまり、店頭にご来店頂いていても顔のわからないお客様は沢山存在します。
オンライン・ショップでもお客様と繋がる事ができる。
オンライン・ショップでご注文下さったお客様の中にも、 何度もリピートしてくださったり、備考欄にお菓子の感想や感謝の気持ちを書いてくださったりする方もいます。
SNSにアップしてくださった事をきっかけに繋がる事も出来た方もいます。 お顔が見えなくても、そういった方にはお店側も感謝を伝えたい気持ちになりますし、暖かい気持ちになります。 オンライン・ショップを始めるまで、web上の販売はもっと『あっさりしたもの』だと思っていました。
まとめ
“見えないお客様へ販売する”という不安
◉公式ホームページに誘導して、お店の世界観やお菓子の方向性を理解して頂き、納得した上でご購入頂ける仕組みづくりをする。
「ちゃんと、お支払いをしてくれるだろうか?」という不安
◉“支払い方法の選択”で確実にお支払い頂ける様な方向性に誘導する。