“遠方の発送先で破損したら”という恐怖心。
私がオンライン・ショップを始めるにあたって、次に心配をした事は商品の破損でした。
お菓子を販売する上で店舗販売でも必ず起きてしまう破損ですが、
店舗販売の場合、お客様にお渡しする前に商品自体を確認していただき、
•商品が合っているか。
•破損していないか。
確認した上でお引き渡しします。
生菓子の場合は空間紙をしっかり巻いたり、焼き菓子の場合は注意喚起をしてお引き渡しします。
帰宅後、万が一破損が起きていたとしてもお店に非がない限り、トラブルが起きる事は稀です。
しかし、発送の場合は配送業者さんが間に入る事を考えなければなりません。
運送業者さんは、大小様々な荷物を大量に運搬しています。
注意は払って配送してくださってはいるものの、破損は少なからず起きてしまいます。
お菓子を発送し破損してしまった場合、近隣ならばすぐに、謝罪・お取り替え・返金が可能ですが、遠方だと対処できないんじゃないか?
オンライン・ショップを導入する上で必ず上がってくる課題と言っでも良いでしょう。
お菓子のを起こさない為の対策
破損が想定される商品はラインナップに入れない。
お菓子の破損に対する対策ですが、破損を避ける事が第一条件になってきます。
オンライン・ショップで販売してはいけない商品の一例ですが、
◉レシピ的に儚さを出したい、割れやすいお菓子
◉細く成形したお菓子
◉温度変化により劣化が起こるお菓子
上記のお菓子でも、壊れにくい形に変えたりすれば配送可能になったりもします。
製造過程で、自分が作っている商品に対する壊れやすさは
おおまなかにでも、感覚的に理解はしてるのではないでしょうか?
物理的に考えて「これは危ないんじゃないか?」と思うお菓子はオンライン・ショップのラインナップには入れない方が無難です。
配送テストを実施する。
これは、配送できるんじゃないか?でも確信はない。
そんな商品は、配送テストを必ずしましょう。
身内や友人へテストの協力を仰ぎ、お客様に配送する想定で、しっかりと緩衝材でつつみ配送します。
受け取り後、写真を撮って送って貰い、受け取った方の感想を聞く。
これを、2〜3回繰り返すと商品が配送に耐えられるかどうかが、わかります。
配送に耐えられる事がわかれば、配送する事への自信も付いきます。
それでも万が一を想定する。
万が一を想定して、商品が破損していた場合の返品や交換について《特定商取引法に基づく表示》に記載し、配慮する必要があります。
破損が起こり兼ねない商品は送らないのが大前提ですが、それで心配な場合は注意喚起をしておいても良いとおもいます。
破損が起きてしまったら?
遠方で破損が起きてしまった場合、破損の原因を確認し、何処に責任があるかを見極めます。
①写真をメールに添付して送って貰う。
破損した商品や周りの梱包材、伝票の写真をメールに添付して送って貰います。
②写真から伝票を確認
伝票の割れ物欄に丸印をつけ忘れていないか、伝票横にはワレモノ注意のシール、天地無用のシールの貼り忘れがないかを確認します。
➡︎ここで、丸印のつけ忘れやシールの貼り忘れが有れば、お店側の責任となります。
③箱には破損がないか確認
写真から梱包材に破損が無いかを確認します。
➡︎伝票やシールにワレモノ注意が記載されていたにも関わらず梱包材に破損が見られれば、配送業者さんの責任になります。
④商品の破損状況を確認
中身の破損を確認します。
お菓子の破損(クッキーが割れていた)などは、余程の事(アイシングクッキーの一枚物など)がなければトラブルにはなりにくいです。
時々起こるのが、お菓子の入ったプラスティック容器や瓶の破損です。
➡︎伝票やシールにワレモノ注意が記載され、瓶には一つづつ緩衝材が巻かれていた状態だった場合は配送業者さんの責任になります。
➡︎伝票やシールにワレモノ注意が記載されていたが、瓶には緩衝材が巻かれておらず、物理的に破損は防げなかった場合はお店の責任となります。
お店に責任があった場合。
直ぐに連絡を取り、謝罪をしてください。お客様の心情によって対応は大きく異なります。
お客様に謝罪をする中でお客様へ返金または交換のご提案をし、ご了承頂ければ対応します。同時にお詫びの品を用意する必要が有れば、お詫びの品を送ります。
私遭遇したことはありませんが、怒りが心頭していれば、「謝りに来い」と言う強制的な方も存在します。
遠方の場合でも、そういった方へは対応をしなくてはいけなくなる場合もあります。
そういう方に当たらない為にもお客様の層を絞ることは手数の少ない小さなお菓子屋さんにとって重要になってきます。
配送業者さんに責任があった場合。
配送業者さんに責任があった場合は、すぐに配送業者さんに連絡し、トラブルがあった趣旨を伝えましょう。
と、同時に破損要因が配送業者さんであることをお客様にお伝えし、配送業者さんからお客様にご連絡行くことを伝えます。
その後、配送業者さんから代替え商品の用意をお願いされた場合は、代替え商品の金額を提示した上で配送業者さんにご購入いただきます。
配送業者さんは、こういったトラブルがあったときに原価で購入を求めてくることがあります。
シンプルな小売業ではないお菓子屋さんは、原材料費のほかに人件費や家賃光熱費すべてを含んだ値段が通常の売値となます。配送業者さんが原価で購入を求めてきても、こちらの事情を説明し、通常販売価格で購入していただくようにしましょう。
極端なクレーマーに遭遇しない為には
商品が破損していた時に、お店に非がある場合は謝罪する必要がありますが、
稀に必要以上に怒鳴り散らしたり、遠方にもかかわらず「頭を下げに来い」と、要求してきたりする方います。
小さなお菓子屋さんが、そういったクレーマー的性格の方に遭遇する確率を下げる為に
【お菓子屋さんがオンラインショップを始めるにあたっての不安を打破!①】で説明した様に
大手の大型ショッピングサイト内にカートを置いたりinstagram内のダイレクトメールなど不特定多数の方へ購入受付や販売を一切やらずに
SNSからも、一度公式ホームページを訪れて頂き、お店の世界観やお菓子の方向性などブランドを理解して頂き、納得した上でご購入頂くという『ワンクッション』を入れる事でクレーマー的お客様に遭遇する確率を下げる事が出来ています。
ブランディングは小さなお店が円滑に運営を行って行く上でとても重要です。
『ブランディングってなに?』という段階の方は、以下でブランドを構築する要素について解説しています。
まとめ
◉破損が起きそうなものはラインナップに入れない。もしくは、形状を変え破損しにくい型にする。
◉梱包は暖衝剤を利用して厳重に。
◉配送テストを、2〜3回実施する。
◉万が一を想定して破損が起きてしまった場合の対応や注意喚起をショップ上に記載。
◉破損が起きてしまったら、破損の責任が何処にあるか調べる。
◉破損の責任がお店にある場合は速やかに謝罪をし、返金・交換及びお詫びの品で対応する。
その他のオンラインショップへの不安は以下でご解決!
- “見えないお客様へ販売する”という不安。
- “店舗自体の価値が低下するのではないか?”という疑念感。
- “遠方の発送先で破損したら・・・”という恐怖心。
- “そもそも、売れるのか?”という心配。
- “パソコンに向かうならお菓子を作りたい”という時間的制限。
- “手数料”を支払わなくてはいけない事への金銭的心配。
- “設定が難しいのではないか”“自分はアナログだ”“めんどくさい”という心理。