お菓子屋さんを開業すると決意すると『物件探し』『資金計画』『事業計画』『融資』『クラウドファンディング』『機材の選定』『道具の選定』『保険の選定』『スタッフの採用』など色々な事を考えなくてはなりません。
そんな慌ただしい準備の中、忘れがちなのが『実印の作成』『印鑑登録』です。
車を購入したり、家の売買をしたことない方は実印と関わることがなく、何に使用されるかさえ分からないのではないでしょうか?
実印は以下のような大切な契約時に必要です。
- 店舗の賃貸や売買取引の契約時
- 融資を受ける時
- 仕入れ業者さんとの契約時(認印で良い業者さんもあります)
- 自動車の購入・売却・譲渡時
- 生命保険や自動車保険の加入時
- 保険金を受け取るとき
必要なシチュエーションで実印が用意出来ていないと ”書類作成に時間がとられてしまったり“ ”融資が遅れてしまったり”開業準備がどんどん遅れてしまいます。開業を決めた時点で、まず『実印』と事業用口座の作成に必要な『認印』の作成を同時に済ませておくことをおすすめします。
まず、印鑑登録には事前に実印となる印鑑の作成が必要です。また、実印には規定があります。その規定から外れると印鑑登録が出来ません。実印については以下の『お菓子屋さん開業に最低限必要な実印・認印 | ハンコ作成はタイミングが大事』で詳しく解説しておりますので、実印をお持ちでない方はご覧ください。
そして、今回は作成した実印を役所に登録する『印鑑登録』について解説して行きたいと思います。基本的な流れとしては以下4ステップ。
印鑑登録できるのは住民票を登録している市区町村の窓口でのみ登録が可能です。では、詳しく解説して行きましょう。
- 事前に必要なものを揃える。
- 市区町村役場で申請書類の記入し必要書類と共に提出する。
- 交付手数料・登録手数料の支払い。(地方自治体により異なる。~500円程)
- 印鑑登録カードの交付
印鑑登録できる場所
住民登録をしている市区町村の窓口でのみ印鑑登録が可能
開業予定地へ引っ越し・住民票の移動を考えている場合は確定してから印鑑登録を行わなければなりません。
登録後に住民票の移動がある場合は『印鑑登録の抹消(廃止)手続き』『転入先での印鑑登録手続き』が必要です。
印鑑登録の資格のある方
- 15歳以上の方
- 外国人の場合、外国人登録をしている方
ただし、意思能力のない方の印鑑登録はできません。
印鑑登録用のハンコ=実印は量販で無いものを選択
- 本名であること
- 印影が8mm以上25mm以下の印鑑
- 量販されていない印鑑
- 印影や印影の輪郭(りんかく)がしっかりしていること
実印は大切な契約を交わす際に利用される印鑑です。そのため、この世に同じものが1つとない印鑑を用意する必要があります。
お菓子屋さんを開業する上で、実印の選び方や用意するタイミングは大変重要になります。実印については、以下の 『お菓子屋さん開業に最低限必要な実印・認印 | ハンコ作成はタイミングが大事』で詳しく解説しております。
印鑑登録できる3つの方法
印鑑登録には以下の3つの方法があります。
それぞれの方法で必要な書類や交付までの流れが変わってきます。
- 本人申請(写真付きの証明書あり)
- 本人申請(写真なしの証明書)
- 代理人申請
本人申請
スクロールできます➡
本人申請の場合 | 備考 | |
速さ | ☆☆☆☆☆ | おおよそ5~30分程 |
役所へ行く回数 | 1回 | 即日発行 |
必要書類 |
| 本人確認書類は写真入りであること
|
写真付きの証明書がない本人申請
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写真付き証明書のない 本人申請の場合 | 備考 | |
速さ | ☆☆☆ | 最短3~7日程度 |
役所へ行く回数 | 2回 | 申請➡照会書・回答書の送付➡ 再訪➡交付 |
必要書類 1回目 |
| 本人確認書類写真なし
|
必要書類 2回目 |
| 照会書・回答書に |
※照会書・回答書をもって申請者の住所確認をします。
- 照会書・回答書は住民登録地宛に簡易書留郵便(転送不要)
- 提出期限は申請日から1ヶ月以内
代理人申請
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本人申請の場合 | 備考 | |
速さ | ☆ | 最短3~10日程度 |
役所へ行く回数 | 2回 | 代理人申請➡照会書・回答書の送付➡代理人の再訪➡交付 |
必要書類 1回目 |
| 代理人の本人確認書類
|
必要書類 2回目 |
| 照会書・回答書に 申請者本人が必要事項を 記入・捺印 |
- 照会書・回答書は住民登録地宛に簡易書留郵便(転送不要)
- 提出期限は申請日から1ヶ月以内
印鑑登録申請からカード交付までの流れ
本人申請
※本人申請の場合、市区町村役場により交付パターンが異なる。(即日交付・後日交付)
- 事前に必要なものを揃える。
- 市区町村役場で申請書類の記入し必要書類と共に提出する。
- 交付手数料・登録手数料の支払い。(地方自治体により異なる。~500円程)
- 印鑑登録カードの交付
※急を要している場合は、その旨を役所の方へ伝えるようにしましょう。即日発行の対応をして貰える場合もあります。
写真付きの証明書がない本人申請
写真付きの証明書がない場合、2回にわたり役場へ出向く必要があります。
- 事前に ”申請時に必要なもの” を揃える。
- ”申請時に必要なもの” を持参して窓口で印鑑登録申請。
- 市区町村役場から登録者に照会書・回答書の送付。(おおよそ3~4日)
- 登録者本人が回答書に記入・署名・登録する印鑑の押印。
- ”登録時に必要なもの” を持参して窓口で手続完了。
- 印鑑登録カードの交付
- 照会書・回答書は住民登録地宛に簡易書留郵便(転送不要)
- 提出期限は申請日から1ヶ月以内
代理人申請
※代理人申請をする場合、2回にわたり役場へ出向く必要があります
- 事前に ”申請時に必要なもの” を揃える。
- 代理人が ”申請時に必要なもの” を持参して窓口で印鑑登録申請。
- 市区町村役場から登録者に照会書・回答書の送付。(おおよそ3~4日)
- 登録者本人が回答書に記入・署名・登録する印鑑の押印。
- 代理人は ”登録時に必要なもの” を持参して窓口で手続完了。
- 印鑑登録カードの交付
- 照会書・回答書は住民登録地宛に簡易書留郵便(転送不要)
- 提出期限は申請日から1ヶ月以内
- 代理人選任届はすべて登録者ご本人が自署・押印。
印鑑登録に必要なものを詳しく
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本人申請の場合 | 本人申請写真付き身分証明なしの場合 | 代理人申請の場合 | |
①印鑑登録用実印(ハンコ) | 〇 | 〇 | 〇 |
②本人確認書類(写真入り) | 〇 | × | × |
②本人確認書類(写真なし) | × | 〇 | × |
③印鑑登録料 | 〇 | 〇 | 〇 |
④委任状(本人が必要事項を記入・捺印) | × | × | 〇 |
⑤回答書(本人が必要事項を記入・捺印) | × | 〇 | 〇 |
⑥照会書(本人が必要事項を記入・捺印) | × | 〇 | 〇 |
⑥代理人の本人確認書類 | × | × | 〇 |
⑦代理人の認印 | × | × | 〇 |
①印鑑登録用の実印
印鑑登録用に実印となる印鑑を用意する必要があります。印鑑登録に利用できる実印には以下の様な規定があります。
- 本名であること
- 印影が8mm以上25mm以下の印鑑
- 量販されていない印鑑
- 印影や印影の輪郭(りんかく)がしっかりしていること
実印は大切な契約を交わす際に利用される印鑑です。そのため、この世に同じものが1つとない印鑑を用意する必要があります。
②印鑑登録に利用可能な身分証明書
身分証明は顔写真入りの以下のもの限定。保険証は身分証明として利用できませんのでお気をつけください。
- 運転免許証
- パスポート(日本政府発行)
- 住民基本台帳カード(写真有)
- マイナンバーカード(個人番号カード)
- 身体障害者手帳
- 在留カード(みなしの外国人登録証明書を含む)
- 特別永住者証明書
③印鑑登録料
無料~500円程。
※地方自治体により異なりますので、居住地の役所へお問い合わせください。
④委任状(代理人申請の場合)
委任状は居住地の役所から、下記の様な用紙をダウンロードして記載する必要があります。委任状には登録者本人が記入し、自署・押印が必要となります。
⑤⑥照会書・回答書
代理人申請または後日交の場合、
市区町村役場から登録者の住民登録地宛てに照会書が回答書と共に送付。
通常通常3~4日で送付されます。また、簡易書留郵便のため転送が出来ません。
⑦代理人の本人確認書類
代理人の本人確認書類は以下のいずれかをご用意ください。
- 代理人の運転免許証
- 代理人の保険証
- 代理人のパスポート
- 代理人のマイナンバーカード(マイナンバー通知書は不可)
⑧代理人の認印
- 代理人の認印として印鑑が必要。
- 認印はゴム印やシャチハタは不可。
印鑑登録証明書の発行方法
印鑑登録証明書の発行できる場所
印鑑登録カードが交付されると、印鑑登録証明書の発行が可能となります。印鑑登録証明書の発行は以下の4場所で発行申請できます。
- 住民票のある地域の役所や出張所
- マルチコピー機のあるコンビニ
- 証明書発行センター
- 郵便局
印鑑登録証明書の発行方法や必要なものは、以下の『印鑑登録証明書の発行手続きの手順 | お菓子屋さんの開業準備』で詳しく解説しております。
開業を前提に考えて行かなくてはいけない事
このページに辿り着いたあなたは、開業前提に動いているのはないでしょうか。印鑑登録は開業準備の第一歩です。
同時に考えていかなくてはいけないことは、どれくらいの資金が必要で、どんな機材が必要なのかどんな道具が必要なのかを把握すること。
一連の流れについては以下の『お菓子屋さんの開業手順(資金計画〜オープンまで)』で開業手順を詳しく解説しています。
まとめ
① 印鑑登録できる場所は住民登録をしている市区町村の窓口でのみ
② 印鑑登録の資格のある方
- 15歳以上の方
- 外国人の場合、外国人登録をしている方
③ 印鑑登録用の実印は量販品は適さない
④ 印鑑登録の方法は3つ
- 本人申請(写真付きの証明書あり)
- 本人申請(写真なしの証明書)
- 代理人申請
⑤ 印鑑登録申請からカード交付の最短は4ステップ
- 事前に必要なものを揃える。
- 市区町村役場で申請書類の記入し必要書類と共に提出する。
- 交付手数料・登録手数料の支払い。(地方自治体により異なる。~500円程)
- 印鑑登録カードの交付
⑥ 印鑑登録証明書が発行できる場所は2か所
- 住民票のある地域の役所や出張所
- マルチコピー機のあるコンビニ
- 証明書発行センター
お店を開業しようと思った、準備段階からファンの獲得のために動く必要があります。濃いファンの層を獲得できると、小さなお菓子屋さんでも運営がうまく進むようになります。
『独立開業を決めた時!小さなお菓子屋さんのファン獲得はオープン前から始めるべき理由。』は以下で詳しく解説しています。