お菓子屋さんを運営する上で、必ず加入しなくてはいけないのが火災保険です。火災保険はテナントを借りる際に義務で加入することになります。
お菓子屋さんが加入する火災保険は通常の火災保険とは違う『店舗総合保険』という保険に加入する必要があります。店舗総合保険は以下の3つのリスクに備える保険です。
- 店舗の建物・什器・商品に損害が発生するリスク
- お客様の身体・財産に損害を与え損害賠償責任を負うリスク
- 店舗が休業に追い込まれて売上が減少するリスク
後ほど詳しく解説しますが、私は三井住友海上のビジネスキーパーに加入しています。PL保険・生産物賠償責任補償などをつける事で第三者に与えてしまうかもしれない損害も補償。
私はリスク備えて、万全の体制で菓子屋を運営しています。店舗総合保険・火災保険は自身のお店に必要な補償内容をカスタマイズして選びましょう。
保険を選択する時は、ご自身の置かれる状況から以下の2つの選択方法があります。
◎保険の知識のある方
◎網羅したい補償内容が決まっている方
◎比較・検討したい方
◎自身で決定したい方
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◎保険の知識に自信のない方
◎乗り換えを検討されている方
◎共済を含めて検討したい方
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今回は、『店舗総合保険』について詳しく解説して行きたいと思います。
店舗総合保険とは
店舗総合保険は、広い範囲の損害をカバーすることを目的とした保険です。保険は、それぞれのお店に合わせてカスタマイズするスタイルで、基本に加える形で、必要なものだけを選ぶ事ができます。
お菓子屋さんが備えておきたいリスクは以下の3つです。
- 店舗の建物・什器・商品に損害が発生するリスク
- お客様の身体・財産に損害を与え損害賠償責任を負うリスク
- 店舗が休業に追い込まれて売上が減少するリスク
1. 店舗の建物・什器・商品に損害が発生するリスク
店舗総合保険は以下のようなケースで補償が行われます。(ビジネスキーパー財物損害補償参照)
① 火災
火事によって建物や什器に損害が生じた場合。
② 落雷
落雷で建物や什器などに損害が生じた場合。
③ 破裂または爆発
ガス漏れのように気体・蒸気の膨張に伴う破裂・爆発により、建物や什器 に損害が生じた場合。
④ 風災・雹災(ひょうさい)・雪災
台風・旋風・竜巻・暴風・雹災・豪雨・雪崩などにより建物や什器に損害が生じた場合。
プランにより付帯できる補償
プランにより付帯可能な補償は以下となります。
⑤ 水濡れ
給排水設備の事故や他の人の戸室で生じた漏水で損害が発生した場合。
⑥ 騒擾、労働争議
騒擾・集団行為・労働争議などの暴力行為・破損行為によって損害が発生した場合。
⑦ 航空機の墜落、車両の衝突等
建物の外部から航空機が落下したり車両が衝突したりして損害が発生した場合。
⑧ 建物外部からの物体の衝突等
建物の外部から物体が落下したり衝突したりして損害が発生した場合。
⑨ 盗難
盗難による損害が生じた場合。
⑩ 水災
台風・暴風雨・豪雨などによる洪水・土砂崩れが発生し被害が生じた場合。
⑪ 電気的または機械的事故
電気系統の故障や機械による事故により被害が生じた場合。
⑫ 不測かつ突発的な事
上記以外に予測できない突発的な事故により被害が生じた場合。
「ビジネスキーパー」では、地震等を原因とする損害は補償されません。 地震保険を単独でのご契約はできません。 地震保険をご契約しなかった場合、地震等による損壊等の損害だけでなく、地震等による火災損害についても補償されません。
2.お客様の身体・財産に損害を与え損害賠償責任を負うリスク
お店の大きい・小さいに関わらず、第三者にお菓子を提供するという事は、同時に責任も伴います。食品全般に言えますが、お菓子も勿論、人の体内に入るものです。
- 異物が混入による健康被害を起こしてしまった
- 食中毒による健康被害を起こしてしまった
- お店の看板の整備に不備があり落下し、通行人に怪我をさせてしまった
- 陳列棚から商品または装飾品が落下し、お客様に怪我をさせてしまった
- 商品を運んでいる途中にお客様に接触して怪我をさせてしまった
- 台風で看板が飛んで通行人に怪我をさせてしまった
- 店で使っていたプロパンガスやガスバーナーが爆発し、隣家の一部が燃えてしまった
- 店舗の水道を閉め忘れ、階下へ浸水しさせてしまった
保険は通常、自らの補償や安心の為に加入するものです。しかし、補償特約【PL保険・生産物賠償保険】【施設賠償責任保険】は、車両の自賠責保険の様に第三者に食品を提供する者の責任として、加入するべき保険です。
商売としてお菓子を販売するには食品表示だけでなく、何か起きてしまった場合の補償として『生産物賠償保険』に加入する責任があります。
食品によりお客様の体に損害を与えてしまった場合、死亡事故を起こしてしまった場合、損害賠償は1億に上ることもあります。
『補償特約【PL保険・生産物賠償保険】【施設賠償責任保険】について』については以下の記事で詳しく解説しております。お菓子屋さんを経営する上でとても重要な保険ですので必ずご参照ください。
お菓子には食品表示のルールがあります。ルールにとって表記する事で、お客様とのトラブルや損害を与えてしまいう事を最小限にする事が出来ます。『食品表示のルールがわからない‼』という方は以下の『お菓子屋さんの食品表示・賞味期限シールのガイドラインと作り方』を参考にしてみてください。
3.店舗が休業に追い込まれて売上が減少するリスク
休業損害補償とは
火災などで建物等が損害を受け、休業または営業停止しなければならなくなった際、修繕費だけでなく、売上高も減少します。また、休業中でもスタッフへの給料の支払い等が必要になります。※「食中毒・特定感染症」プランを選択すると、休業停止中の粗利が補償されます。
休業損害補償は、 営業利益の補てん、人件費、水道光熱費などに充てることの出来る費用の補償です。詳しくは以下の『菓子屋の経営リスクの備える休業損害補償』で解説しています。
保険料はどのようにして決まるか
事業用火災保険の保険料は以下の条件に基づいて決定されます。
- 保険期間
- 補償金額
- 店舗利用用途(職種)
- 店舗の所在地
- 店舗の専有面積
- 店舗の構造
保険期間
短い期間での契約よりも、長期間での契約のほうは保険金額が低くなります。
補償金額
万が一、火災などが起きた場合の補償額が大きいほど、保険料は高くなります。
店舗の利用用途(職種)
火気を扱うお菓子屋さんの保険料は事務所等より高くなります。
店舗の所在地
自然災害が起きやすい地域に所在するなど、リスクが高いと保険料も高くなります。
店舗の専有面積
店舗の延べ面積が大きいほど現状回復費が掛かる様為、それに伴い保険料も高くなります。
店舗の構造
耐火性能の高い構造の建物の保険料は非耐火構造の建物より低くなります。事業用保険は、1級、2級、3級の3区分に分けられます。
1級
- 耐火建築物の物件
- 柱が耐火被覆鉄骨造の物件
- 鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造、コンクリートブロック造、石造り、レンガ造り等の物件
2級
- 柱が鉄骨造の物件
- 準耐火建築物の物件
- 省令準耐火建築物の物件
3級
- 1級2級に該当しない木造などの物件
保険を選択する時は、ご自身の置かれる状況から以下の2つの選択方法があります。
◎保険の知識のある方
◎網羅したい補償内容が決まっている方
◎比較・検討したい方
◎自身で決定したい方
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『一括見積へ』の下段『法人の方はこちら』から
◎保険の知識に自信のない方
◎乗り換えを検討されている方
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受け取れる保険金
受け取れる保険内容は以下となります。プランや特約によって変化します。
物損害補償条項
- 臨時費用保険金
- 残存物取片づけ費用保険金
- 失火見舞費用保険金
- 地震火災費用保険金
- 修理付帯費用保険金
- 看板修復費用保険金
- 損害防止費用・損失防止費用
- 権利保全行使費用
- 緊急処置費用保険金
休業損害補償条項
- 損害防止費用・損失防止費用
- 権利保全行使費用
- 緊急処置費用保険金
- 営業継続費用保険金
- 営業再開時臨時費用保険金
- 緊急対応費用保険金
一般的な保険との違い
店舗総合保険と火災保険の違い
火災などのリスクに備えて保険を掛けるという点においては共通していますが、店舗総合保険は一般的の保険より補償範囲が広くなるため、住宅における火災保険より保険料は高くなります。
補償対象
火災保険 | 店舗総合保険 | |
保険の対象 |
|
|
つまり、お菓子屋さんを経営する上でのリスクを回避するには、一般的な火災保険ではなく事業用火災保険=店舗総合保険に加入する必要があります。
賃貸(テナント)の場合
借家人賠償責任補償特約
賃貸物件の火災保険対象は、什器・設備・商品のみです。 建物の火災保険の場合、テナントの所有者は大家さんであるため、建物の火災保険は大家さんが加入するものだからです。しかし、テナントの場合、借主には原状回復の義務があります。
万が一、店舗が焼失させてしまった場合は、貸主に損害賠償をしなければなりません。 店舗で損害が起きたときは、賠償金は1億にも上ることがあり、個人の手に負えないレベルでの損害賠償が発生する可能性があります。 この損害賠償をまかなうために、店舗総合保険に「借家人賠償責任補償特約」を付けておかなければなりません。
賃貸契約と同時の火災保険には注意!
冒頭にも説明しましたが、大事な事なので2回書きます! テナントの賃貸契約の際、火災保険は必須条件になります。不動産屋さんは、貸しだす店舗さえ補償されれば良いと考えていますので、テナントが補償される火災保険を勧められます。そこを注意してください。
お菓子屋さんとしては、店舗・什器・商品・事業・お客様も含めて補償される店舗総合保険に入らなくてはならない事を覚えておいてください。
店舗総合保険に加入するメリット
私が保険に入ってて、よかったと思えるメリットは以下の3つです。
リスクに備えた保証で、安心して運営ができる。
万全の態勢で経営していることで、信用が得られる。
ひとにやさしくなれる
故意や劣化ではない『不測かつ突発的に生じた損害』に対しての補償が受けられる。
思いもよらなかったメリットとして、什器が壊れたときに保証されたことです。私の保険のイメージだと『火災や水害が起きたときに保証がされる』でした。しかし、実際はもっと身近な事故に対しても対応されるということに驚きました。
詳しくは以下の『メリット|店舗総合保険で助かった。什器・機材の補償』にて詳しく解説しています。
私が選んだ保険会社
ビジネスキーパー
お菓子屋さんの運営において、どのようなリスクがあり、それをどこまで火災保険でカバーして何を特約としてつけるべきかを、信頼できる専門家に相談し、補償内容を組み立ててもらうことをおすすめします。
私のお店で加入している保険は、三井住友海上のビジネスキーパーという店舗総合保険に『生産物賠償補償特約・賠償責任等補償特約』をつけて利用しています。ビジネスキーパーは自分のお店に合わせて契約内容をカスタマイズすることが出来ます。
※お店の延べ面積や売り上げ・補償範囲によってそのお店にあった保険は変わってきます。
※保険代理店によって契約している保険会社が異ります。三井住友海上のビジネスキーパーの取り扱いのない代理店もありますのでご注意ください。
保険は見直しも可能
保険は見直しが可能です。見直しとは、一度加入した保険より良い保険を見つけたら、乗り換える事が可能という意味です。
ほとんどの場合、乗り換え時に支払った保険料の未経過分が戻ってくるので無駄にはなりません。(支払い状況により変化する場合もあるので専門家の方とよく相談してください。)
物件契約時に不動産屋さんに勧められれがまま火災保険に加入してしまうパターンが良くあります。不動産屋さんは建物の補償しか考えておらず、あなたの機材やお客様の補償まで考えてくれません。
もし、不動産さんに勧められるがまま火災保険に加入してしまい、店舗総合保険に加入していなかった場合は専門家に依頼し、見積もりしなおして貰いましょう。良い条件の保険に変えることはお店の経費削減に繫がります。
店舗が無くてもPL保険・生産物賠償保険には加入するべき
店舗を持たない場合でも、第三者に食品を提供する場合はPL保険・生産物賠償補償保険には加入しておく責任があります。
火災保険・PL保険・生産物賠償補償特約・賠償責任等補償特約などバラバラに加入するよりも、一括でまとめる事で費用を抑える場合があります。
自身の経営に見合った細やかな対応は専門家の方に相談しましょう。
店舗総合保険の減額方法
店舗総合保険はいろいろな事業が加入することを想定した保険です。
お菓子屋さんに合った保険金額か補償内容か確認することが必要です。
以下の項目をクリアにすると、『保険料の減額』・『補償の充実』が得られます。
- お菓子屋さんの抱えてるリスクを把握
- 自分の経営スタイルに合った補償内容の選択
- 安い保険料は補償内容も劣る場合もあることに注意
- 事故にあった際の補償を想定
- 実績がなく、今後継続して運営されるかどうかが不明な会社に注意
- 損害以外の保証もチェック
- 共済も視野に入れる
詳しくは以下の『比較・相見積もりの必要性 | 店舗総合保険の減額方法』で詳しく解説しております。
契約の裏技?
『生産物賠償補償特約・賠償責任等補償特約』単独で保険に加入するよりも、店舗総合保険にて火災保険に加入し、特約で『生産物賠償補償特約・賠償責任等補償特約・店舗休業保険』を付帯し、まとめる事で、保険料の減額が可能です。
更に、まとまった金額を用意できるのでしたら、1年毎に契約せずに、5年契約など長期間の契約をおすすめします。
長期間の契約は長期割引が適用され、かなり割安になります。仮に、5年たたずに解約しなくてはならなくなったとしても、契約が経過してない分の契約料は返金されるからです。
無料で見積もりをとる
『保険料はどのようにして決まる』で解説したように、それぞれの店舗の条件で保険料は変わってきます。いくつかの店舗総合保険を相見積もりすることをおすすめします。
保険を選択する時は、ご自身の置かれる状況から以下の2つの選択方法があります。
◎保険の知識のある方
◎網羅したい補償内容が決まっている方
◎比較・検討したい方
◎自身で決定したい方
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保険料控除
火災保険は【 生命保険料控除や社会保険料控除 】とは異なり、保険料は控除の対象外となります。
事業所得としての計上
その年に掛かった損害保険料は、必要経費として経費計上が可能です。長期契約で保険料を支払っている場合は、火災保険料を資産計上し、1年毎経費化して計上する事が出来ます。
また、店舗兼住宅の併用住宅の場合は、住宅部分や家財にかかる部分の経費計上は出来ませんが、店舗(事務所)など業務用に掛かる保険料は、事業所得の必要経費として取り扱う事ができます。
上記のように、事業に必要な経費は経費計上が可能です。『火災保険・店舗総合保険の経費計上』については以下で詳しく解説しておりますので合わせてご参照ください。
まとめ
- お菓子屋さんを経営するには保険の加入が不可欠。
- テナント物件の場合は『借家人賠償責任補償特約』が義務。
- お菓子やさんは以下の3つのリスクに備える必要がある
- 店舗の建物・什器・商品に損害が発生するリスク
- お客様の身体・財産に損害を与え損害賠償責任を負うリスク
- 店舗が休業に追い込まれて売上が減少するリスク
- 店舗総合保険の補償範囲は建物・什器・商品。
- 店舗総合保険の補償内容は以下の4点。
- 火災
- 落雷
- 破裂または爆発
- 風災・雹災(ひょうさい)・雪災
- プランにより、その他事故の補償も付けられる。
- 休業補償・生産物賠償補償・賠償責任等補償は特約で付ける。
- 保険は控除出来ないが、経費計上可能。
- 保険はまとめて契約すると、費用の削減につながる場合がある。
【カテゴリ/お菓子屋さんの店舗総合保険】
保険を選択する時は、ご自身の置かれる状況から以下の2つの選択方法があります。
◎保険の知識のある方
◎網羅したい補償内容が決まっている方
◎比較・検討したい方
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