お菓子屋さん開業にあたって、お店専用の銀行口座は必要不可欠です。なぜなら、その口座を通して、業者さんとの支払いを行ったり、お客様から直接振り込んでもう事もあるからです。私生活で自分が利用している銀行口座とは分けて、誰に見せてもお金の流れが明確な、通帳(口座履歴)づくりが必要です。
因みに、私は以下の口座を利用しています。
- メインバンク・・・お店から一番近い信用金庫
- 振込用口座・・・じぶん銀行
- ネットショップ入金用口座・・・ゆうちょ銀行
では、私がなぜこの銀行を利用しているのか解説して行きたいと思います。
まだ、開業までに至っていない方で、もし、『お菓子屋さんを起業する際に融資を検討したい』と思っている方も、お金の流れが明確な銀行口座が必要です。融資の自己資金は約1年まで遡って審査されます。融資審査が通りやすくするためにも、綺麗な口座づくりを心がけましょう。
融資の為の口座については『信用を積み上げよう!お菓子屋さん開業準備/銀行口座とクレジットカード』で詳しく解説しております。
銀行口座とお金の流れ
独立開業には『自分生活や貯蓄』の為の【個人の口座】とは別に【お店の用口座】が必要になってきます。個人のお金とは混ざらないように、またお金の流れがわかるような使い方をする必要があります。
お店用の口座が必要な理由
お店用の口座の通帳明細(口座履歴)は、税務署に提出する資料となります。
口座の利用の仕方
- お店の売り上げをまとめて入金せずに、1日1日の売り上げが記帳されるように営業日ごとに分けて入金する。
- 業者さんへの払いは、『引き落とし口座』に1つにまとめる。
- 家賃の支払いや、従業員への給料振り込みの一つ一つに名前が記帳する。
このようにお金の流れをはっきり明記している事で、税務の書類提示時に役立ちます。また、安定して黒字化が認められれば、金融機関からの信用が得られ、機材の買い足しなどの必要時に融資をしてもらいやすくなります。
銀行の種類
銀行にはたくさんの種類がありますが、お菓子屋さんを開業する上で関わりのありそうな銀行は以下の5つです。
都市銀行・メガバンク
全国展開している銀行。規模が大きく、業務の幅も広い。
取引先は大手上場企業が中心となる。
例)みずほ銀行、UFJ銀行、三井住友銀行etc…
地方銀行
各都道府県に本店を置き、特定地域に密着している銀行。
取引先は地元の中小企業が中心。
信用金庫
地域の方々が利用者となって互いに地域の繁栄を図る相互扶助を目的とした協同組織の金融機関。
取引先は中小企業や個人。
ネット銀行
銀行の窓口や独自のATM・通帳を持たないネット上の銀行。
手数料が低かったり、預金金利が高い。
例)GOMaおぞらネット銀行・楽天銀行・SBIネット銀行・auじぶん銀行etc…
ゆうちょ銀行
全国に展開する郵便局ネットワークを通じて、幅広い個人の利用者に総合的な金融サービスを提供。
銀行の選択基準
どの銀行を利用しても問題ないのですが、以下の点を考慮して選択しました。
- お店とっての使い勝手
- お客様にとっての使い勝手
- 入出金手数料
- 振込手数料
- 両替手数料
- 屋号での口座作成
- オンラインで入金確認ができること
- 今後追加融資を検討する事があるか
お店とっての使い勝手
お店にとっての使い勝手は、主に立地です。売上の入金や両替を行う為に、銀行に頻繁に通う事になりますので、なるべく近い立地や夜間金庫があるかなどをひとつの基準に選択しましょう。
お客様にとっての使い勝手
お客様にとっての使い勝手とは、振込手数料や立地です。オンラインショップや地方発送を運営する場合、お客様は全国にいる事になります。
どの銀行も他行あての振り込みには、振込手数料がかかります。お客様が負担する、その手数料をなるべく軽減する事を意識する事で、売上に寄与してきます。
ネットバンクが発展している世の中ですが、ATMにて入金をされるお客様も存在します。小さな村や島でも存在する、ゆうちょ銀行がお客様にとって使い勝手が良いと言えます。
入出金手数料
入出金の度に手数料がかかってしまうと経営が圧迫してきてしまいます。入出金手数料もあわせて確認しておきましょう。
振込手数料
業者さんへの支払いは引き落としや振り込みで行われます。支払い条件や銀行口座は業者さん毎に異なります。引き落としあれば、メインバンクからの引き落しを指定すればOKです。
しかし、他行の振込の場合振込手数料がかかってきます。毎月発生する支払いの振込手数料を削減する方法は以下の2つです。
- 法人用口座を利用し、毎月利用料を支払う事で振り込み手数料が優遇される(無料ではない場合が多い)口座の開設
- 条件をクリアして、振込手数料を一定回数無料で利用する。
両替手数料
お店を経営すると、レジに入れて置くおつりの準備しなくてはなりません。1万円札が溜まると、両替をしに行くわけですが、両替手数料がかかる場合もあります。手数料は銀行によっても異なるので、気にしておきたいポイントの一つです。
屋号での口座作成
個人事業主で開業した場合、銀行によっては屋号のみの口座が持てない場合があります。その場合は【 個人名 】で利用する。又は、【 屋号+個人名 】で利用する事になります。
お客様に入金先を指定する際に、個人名宛か屋号宛かで、お客様がお店に対する信用・捉え方が変わります。
オンラインで入金確認ができること
オンラインショップでは入金確認後の発送という形をとる事が多く発生します。オンラインショップの入金目的で利用する口座の場合、オンラインで入金の確認が取れる必要があります。
個人名義の口座の場合オンラインは無料で使える場合が殆どですが、事業としてオンラインを使う場合、手数料がかかる場合があります。
今後追加融資を検討する事があるか
開業してから数年後にお店を拡大したいなど、開業時の融資とは別に資金が必要になる場合があります。その時点で、お店が黒字経営が継続でき、信用が出来ていれば銀行での融資にトライする事も可能です。
そんな時、小さなお店でも親身になって融資の相談の話を聞いて下さるのは、地域に根強いい信用金庫です。銀行もメインバンクとして利用してくれる顧客を大切にします。
将来的に融資を検討する可能性がある場合は、その事も考慮してメインバンクを選択しましょう。
また、開業時に融資を考えている方は『お菓子屋さんが融資審査を通過するための5つのポイント』で融資について詳しく解説していますので、あわせてご参照ください。
私の選んだ銀行の種類
銀行の用途
- メインバンク・・・売上や引き落としのメインの口座。
- 振込み用口座・・・他行宛の振り込み用で手数料の無料回数が多い口座。
- オンラインショップ入金用口座・・・オンラインショップ上で銀行振り込みを指定した方が入金する為の口座。
3つの銀行の使い分け
メインバンク
地方銀行
近くて便利、毎日の売上を入金しやすい環境にあった地方銀行で口座を開きました。
融資を考えるならば、地域の中小起業や個人事業主に密着している信用金庫にしても良かったかな・・・とは思っています。
毎日の売上の入金・業者の引き落とし・税金の支払い・クレジットカードの支払いがメイン。他行宛の振り込がある場合はメインバンクから出金、ネットバンクへ資金移動をして他行へ振り込む様にしています。
振り込み用口座
ネットバンク
一定額が口座に入っていることで、他行宛の振り込みが複数回無料になる。
引き落としの制度を導入していない会社で他行宛の振り込みになってしまう場合にメインバンクから資金移動をして利用する事で余計な経費を削減。
条件によって他行振込無料の回数が変わってくるので、自分の条件にあったネットバンクを選びましょう。
オンラインショップ入金用口座
ゆうちょ銀行
オンラインショップは販売対象が全国の為、どんな小さい町や村・島などにも全国展開しているゆうちょ銀行に口座を持つことで、お客様の負担する振り込み手数料をなるべくかからないようにする為に利用。また、オンラインショップの入金目的の口座には、以下の2点も重要な条件でした。
- 屋号で通帳が作れること。
- お客様からの入金確認がスマホでオンラインで分かること。
最初はネットショップの入金用口座としての目的で開設しましたが、個人で経営されてる農家さんもゆうちょ銀行を利用している場合が多く、支払いにも役立っています。
また、クレジットカードもお店用を作る必要があります。こちらも、お金の流れが明確である必要があるからです。
クレジットカードの検討をしている方で、旅行好きの方や海外研修に行きたい方にはユナイテッド航空のマイルが貯められるMileage Plus がおすすめです。
私自身、2枚持っているクレジットカードは両方ともユナイテッド航空のマイルをため、年に2回国内研修をしています。もうすぐフランス研修も行けるくらい貯まってきました。
私のおすすめする最強クレジットカードについては以下で紹介しています。
まとめ
◉お金の流れを考えて、銀行口座を開設。
◉銀行口座の8つの選択基準
- お店とっての使い勝手
- お客様にとっての使い勝手
- 入出金手数料
- 振込手数料
- 両替手数料
- 屋号での口座作成
- オンラインで入金確認ができること
- 今後追加融資を検討する事があるか
◉メインバンクは近くて便利な立地
◉ネットバンクで他行宛の振込み手数料を削減
◉オンラインショップ入金用口座はお客様の利便さを優先。