一口にお菓子屋さんといっても、今の時代、様々な働き方があります。あなたの性格や求める生活スタイルに合わせて、働き方を選んでみてください。
シンプルにお店を持ちたい方は、食品衛生責任者の資格が必要です。調理師・栄養士・製菓衛生士などの資格があれば食品衛生責任者の資格を取得する必要はありません。
また、お菓子に携わる仕事は大きく分けて以下の9つに分かれます。
- 洋菓子専門店 /patisserie
- 焼き菓子屋さん/Biscuiterie
- アイス屋さん/Glacier
- チョコレート屋さん/Chocolaterie
- レストラン・パティシエ / デセール専門店
- ホテルのパティシエ
- 製菓専門学校の先生
- お菓子教室の先生
- お菓子研究家
それぞれに必要な資格や開業するための営業許可について解説していきたいと思います。
パティシエになるための4つの方法
小学生のなりたい職業ランキングに常に入ってくるパティシエですが、実際のところ、パティシエになるための資格はありません。しかし、素人がいきなりお店を開業してところで、商品として継続して安定したお菓子が作ることが難しいことも事実です。そこで、プロとしてのお菓子作りを学ぶ必要が出てきます。
第三者にお菓子を販売するには、お菓子だけでなく以下の事も学ぶ必要が出てきます。
- 公衆衛生
- 食品学
- 食品衛生学
- 衛生法規
- 栄養学
- 製菓理論・調理科学
それらを学び『お菓子作りを仕事にする』には以下の5つの方法があります。
- 製菓学校を卒業する
- 大学を卒業する
- 教室でお菓子を学ぶ
- お店で経験を積む
- 独学で学ぶ
お菓子に纏わる仕事
一口にパティシエ と言っても、今の時代は色々な形の仕事があります。フランスではパティシエ には称号・国家資格が存在し、資格がないとパティシエ を名乗れません。
一方、日本では製菓衛生師や製菓製造技術士などの資格はありますが、持っていなくてもお菓子作りの仕事にしていればパティシエ を名乗る事が出来ます。
洋菓子専門店 /patisserie
パティスリーとはフランス語でケーキ屋さん。一番馴染みのあるお菓子を作る仕事!
生菓子をメインに販売するお店。ショーケースの中は華やかで、子供達の憧れの職業といわれています。菓子屋さんは、デセール(皿盛りデザート)とは異なり、テイクアウトで自宅に持ち帰ってからも状態が変化が少ないようなレシピ作り、お菓子作りをしています。
patisserie 開業に必要な資格
ケーキ屋さん / patisserie 開業には、営業許可を取得する必要があります。営業許可の申請には、以下のいづれかの資格を取得する必要があります。資格についてい詳しくはこちらから
製菓衛生士
栄養士
食品衛生責任者
その他、それに準ずる資格
patisserie 開業に必要な営業許可
テイクアウト専門店
菓子製造業許可
簡単なドリンク+イートイン+テイクアウト
菓子製造業許可
コーヒーや紅茶を入れるなどの簡単なドリンクの提供・サンドイッチの提供は菓子製造業でOK
ドリンク(アルコール可)+イートイン+テイクアウト+ランチ
2021年6月の法改正により、菓子製造業でサンドイッチやドリンクの提供が可能になりました。しかし、ランチとしてお料理の提供をする場合は飲食店営業許可が必要になります。
オンラインショップ限定店
菓子製造業許可
飲食店営業許可を取得することで可能となる5つのこと
ランチのイートイン
お弁当のテイクアウト
アイスクリームのイートイン
かき氷のイートイン
ケーキ屋さん / patisserie の開業には、営業許可を取得する必要があります。営業許可についての詳しい説明はこちらから
焼き菓子屋さん/Biscuiterie
Biscuiterieは正確にはビスケット屋さん。焼き菓子専門のお店。
生菓子に比べ、 『ストックのしやすさ』や『ロスが少なくてすむ』為、女性の独立により、人気の出てきた仕事の一つ。
焼き菓子やさん 開業に必要な資格
焼き菓子屋さんの開業をするためには、営業許可を取得する必要があります。また、営業許可の申請には、以下のいづれかの資格を取得する必要があります。資格についてい詳しくはこちらから
製菓衛生士
栄養士
食品衛生責任者
その他、それに準ずる資格
焼き菓子やさん 開業に必要な営業許可
テイクアウト専門店
菓子製造業許可
簡単なドリンク+イートイン+テイクアウト
菓子製造業許可
コーヒーや紅茶を入れるなどの簡単なドリンクの提供・サンドイッチの提供は菓子製造業でOK
デセール+ドリンク(アルコール可)+イートイン+テイクアウト
菓子製造業許可+飲食店営業許可
2021年6月の法改正により、菓子製造業でサンドイッチやドリンクの提供が可能になりました。しかし、ランチとしてお料理の提供をする場合は飲食店営業許可が必要になります。
オンラインショップ限定店
菓子製造業許可
飲食店営業許可を取得することで可能となる5つのこと
ランチのイートイン
お弁当のテイクアウト
アイスクリームのイートイン
かき氷のイートイン
焼き菓子屋さん の開業には、営業許可を取得する必要があります。営業許可についての詳しい説明はこちらから
アイス屋さん/Glacier
アイスクリーム、氷菓をメインに販売するお店
夏になり暑くなると、ケーキの売り上げがガクッと下がります。そういったケーキ屋の 夏場の売り上げの補強に最適 な面をあわせもった仕事です。
日本の衛生管理上、アイス屋さんをお菓子屋さんと一緒に運営する場合は同じ厨房は使えない為、別に厨房を用意する必要があります。設備については、お住まいの地域の保健所へお問い合わせください。
アイスクリーム屋さん 開業に必要な資格
アイスクリーム屋さんの開業をするためには、営業許可を取得する必要があります。また、営業許可の申請には、以下のいづれかの資格を取得する必要があります。資格についてい詳しくはこちらから
製菓衛生士
栄養士
食品衛生責任者
その他、それに準ずる資格
アイス屋さん 開業に必要な営業許可
アイスクリームのテイクアウト専門店
アイスクリーム製造業
簡単なドリンク+イートイン+テイクアウト
アイスクリーム製造業+飲食店営業許可
ドリンク+イートイン+テイクアウト+菓子のテイクアウト+ランチ
アイスクリーム製造業許可+飲食店営業許可+菓子製造業
オンラインショップ限定店
アイスクリーム製造業許可
菓子製造業許可を取得することで可能となること
菓子のテイクアウト(焼き菓子・生菓子)
飲食店営業許可を取得することで可能となる5つのこと
ランチのイートイン
お弁当のテイクアウト
アイスクリームのイートイン
かき氷のイートイン
アイスクリーム製造業の営業許可書の取得ではイートインでアイスクリームを提供することはできません。
アイス屋さん の開業には、営業許可を取得する必要があります。営業許可についての詳しい説明はこちらから
チョコレート屋さん/Chocolaterie
チョコレートを専門に扱うお店
近年、カカオ豆からチョコレートバーになるまで一貫して製造を行う事で、市販のチョコレートとの差別化を図る、『ビートゥーバー』がブームになりました。 ケーキ屋に比べると、賞味期限、ストック、生産性に優れている。また、高価格帯で取り扱われる事からブランディングもしやすく人気がでてきています。
チョコレート屋さん 開業に必要な資格
チョコレート屋さんの開業をするためには、営業許可を取得する必要があります。また、営業許可の申請には、以下のいづれかの資格を取得する必要があります。資格についてい詳しくはこちらから
製菓衛生士
栄養士
食品衛生責任者
その他、それに準ずる資格
チョコレート屋さん 開業に必要な営業許可
テイクアウト専門店
菓子製造業許可
簡単なドリンク+イートイン+テイクアウト
菓子製造業許可
デセール+ドリンク(アルコール可)+イートイン+テイクアウト+ランチ
菓子製造業許可+飲食店営業許可
オンラインショップ限定店
菓子製造業許可
飲食店営業許可を取得することで可能となる5つのこと
ランチのイートイン
お弁当のテイクアウト
アイスクリームのイートイン
かき氷のイートイン
チョコレート屋さん の開業には、営業許可を取得する必要があります。営業許可についての詳しい説明はこちらから
レストラン・パティシエ / デセール専門店
レストランやデセール専門店で皿もりデザートを作るパティシエ 。
テイクアウトでは表現出来ない 儚さや、フレッシュな香り などを表現出来る仕事。最近ではカウンター越しにLive感を演出するデセール(デザート)専門店もでてきました。
レストラン・デセール専門店 開業に必要な資格
レストラン・デセール専門店 の開業をするためには、営業許可を取得する必要があります。また、営業許可の申請には、以下のいづれかの資格を取得する必要があります。資格についてい詳しくはこちらから
製菓衛生士
栄養士
食品衛生責任者
その他、それに準ずる資格
レストラン・デセール専門店 開業に必要な営業許可
レストラン / デセール専門店
飲食店営業許可
レストラン / デセール専門店+菓子テイクアウト(焼き菓子のみの場合も含む)
飲食店営業許可+菓子製造業許可
レストラン / デセール専門店+お弁当のテイクアウト(直売のみ)
飲食店営業許可
オンラインショップでお菓子を販売する
飲食店営業許可+菓子製造業許可
菓子製造業許可を取得することで可能となること
菓子のテイクアウト(焼き菓子・生菓子)
レストラン / デセール専門店 の開業には、営業許可を取得する必要があります。営業許可についての詳しい説明はこちらから
ホテルのパティシエ
ホテル内のレストランやショップ・ルームサービス・催し・パーティー・結婚式などのお菓子を専門に作る仕事。
ホテルでパティシエとして働くために必要な資格
特になし
結婚式場のパティシエ
結婚式のパーティーやウェディングケーキ、引き出物のお菓子などを作る仕事。
結婚式場でパティシエとして働くために必要な資格
特になし
製菓専門学校の先生
製菓学校の先生として、お菓子作りを教える仕事。
お菓子の知識だけでなく、教師としての人間力も必要。
製菓専門学校の先生として働くために必要な資格
特になし
お菓子教室の先生
お菓子作りを教える仕事
自分で運営する場合や企業に勤めて教える場合もあります。生徒さんの獲得や、レシピの作成・計量、講師。お菓子を作るだけでなく、家庭で再現できることをレシピ作成をしていく。少数ではあるが、プロ向けのお菓子講習や細工物の教室も存在する。
お菓子教室の先生として働くために必要な資格
特になし
資格は特にないが、集客をするために賞やディプロムの取得。経歴が重要になってくる。
お菓子研究家
お菓子を専門に研究する仕事。
雑誌や本の執筆。企業やメディアに呼ばれての講演会など。フリーランスが殆どだ。
お菓子研究家として働くために必要な資格
特になし
フリーランスとなるため、SNSやブログでの情報発信が重要になってくる。
お菓子屋さんを開く手順
お菓子屋さんを開業するには、しなければいけないタスクが沢山あります。以下で解説している開業手順に沿っていくと分かりやすいかと思いますので、開業をお考えの方の方は合わせてご参照ください。
こんな働き方もあります
フリーのパティシエ
店舗を持たずに、講習会の講師や企業やメディアからの依頼でお菓子を作ったり、お客様からのオーダーメイドの製品を作る仕事。
フリーのパティシエとして働くために必要な資格
特になし
企業パティシエ
企業に所属して、その企業の販売する機材や食材の販促の為のお菓子を開発する仕事。
企業のパティシエとして働くために必要な資格
特になし
大卒・大学院卒またはパティシエとしての経験値が重要になる。
Webパティシエ
YouTubeやInstagramで動画を配信したり、企業からの依頼でレシピやコラムを提供するなどして、執筆料や、広告収入を収入源とする仕事。
アイディア1つで色々な可能性
- バースデーケーキ専門のオンラインショップ
- オーダーメイドで予約販売をするお店
- アイシングクッキー専門店
- シフォンケーキ専門店
- チーズケーキ専門店
- アレルギー対応のケーキ屋さん
- 間借りで、焼き菓子屋さん
- ペットの為のケーキ屋さん
コンセプトを考える
ビジネスを行う上でマーケティング戦略が必要となり、その第一ステップがコンセプトの設定です。コンセプト=ブランドの軸となるため、ぶれない事が求められます。
考え方は以下の『お菓子屋さんのコンセプトの考え方【コンセプトで売れ方は変わる】』で詳しく解説しています。
まとめ
①お菓子に携わる仕事は大きく分けて9つ
- 洋菓子専門店 /patisserie
- 焼き菓子屋さん/Biscuiterie
- アイス屋さん/Glacier
- チョコレート屋さん/Chocolaterie
- レストラン・パティシエ / デセール専門店
- ホテルのパティシエ
- 製菓専門学校の先生
- お菓子教室の先生
- お菓子研究家
②パティシエになるための資格はない。
④お菓子仕事にするには以下の5つの方法がある
- 製菓学校を卒業する
- 大学を卒業する
- 教室でお菓子を学ぶ
- お店で経験を積む
- 独学で学ぶ
③お店を開業する為の資格は以下のいづれか
- 調理師
- 製菓衛生士
- 栄養士
- 食品衛生責任者
- その他、それに準ずる資格
④販売したい食品の種類によって営業許可が変わってくる。