お菓子屋さんを開業する際の許可証を考えた時に、菓子製造業許可証が一番に上がってくるかと思います。しかし、お菓子屋さんによっては飲食店営業許可と菓子製造許可証の2つを取得しているお店もあります。
- 菓子製造業ではイートインはできないの?
- 飲食店営業許可を取得する意味って何?
今回はこれらの疑問について解説して行きたいと思います。
まず結論からいうと、イートインを設けたお菓子やさんの運営を前提として、下記の様な希望がある場合は飲食店営業許可証の取得も必要となってきます。
- アルコールの提供をしたい
- ランチもやりたい
- イートインでアイスクリームを提供したい
2021年の法改正によって『菓子製造許可』でもドリンクの提供が可能になったりと、スタイルによっては無理に『飲食店営業許可』を取得する必要もなくなってきました。
それぞれの営業スタイルによって、取得する営業許可は変わってきますので、自身のスタイルを決定する上での手引きになれば嬉しいです。では、解説して行きましょう!
- 何を販売するか
- イートインを併設するか
直ぐに実現させる予定でなくても考慮した予定を立てる
今すぐは実現できなくても、いづれ販売したい商品があれば、そのことも考慮した予定を立てていく必要があります。
いづれ、こんな展開をしたい・・・・
- イートインを設けたい
- アイスクリームの製造販売したい
- お惣菜の販売をしたい
実際に展開するタイミングでは遅いのか
開業する時点で何を販売するべきか考慮していくべきだという解説をしてきましたが 『今はそこまで考えられない』 という方もいらっしゃるのではないかと思います。
では実際に展開するタイミングで営業許可を取るのでは遅いのか?という事については以下の通りです。
- 実際に営業許可証を取得するのは、展開するタイミングでもOK
- 厨房設備を希望する営業許可書に合わせるて施工しておく必要がある。
- 後から変更箇所の追加工事すると高くつく。
『菓子製造業許可』と『飲食店営業許可』の同時取得
『菓子製造業許可』と『飲食店営業許可』を同時に同じ設備で取得する事は基本的には可能です。同時に取得できた場合でもレイアウトによって、菓子を製造する時間とイートインをスタートさせる時間を分けなければいけなかったりと条件が付く場合もあります。
例外としてレイアウトや設備が適していない場合は取得する事が出来ません。
- オープンキッチンの飲食店で菓子製造業の取得
- 菓子製造に必要な設備が整っていない
- 厨房と販売スペースが区切られていない
etc….
菓子製造業許可と飲食店営業許可に必要な設備の違い
菓子製造業で必要な設備と飲食店営業で必要な設備は異なります。両方の同時取得を考えるようであれば、どちらの要件もクリアにする必要があります。
菓子製造業に必要な設備・・・『特定基準』
以上の2つの施設基準については、以下で詳しく解説しています。
同時取得の近道
『菓子製造業許可』と『飲食店営業許可』を同時に同じ設備で取得したいと考える場合、保健所へ相談する事が近道となります。まず、自らが考えているレイアウトを手書きでも良いので描いてみて指摘箇所が無いか見てもらう事が第一歩となります。
営業許可証を取得するまでの流れ
営業許可証を取得するまでの流れは以下のような形になります。
- 食品衛生責任者及びそれに準ずる者の資格証明書を準備する。
- 必要とする許可証の種類を定める。
- 施設基準のを考慮したレイアウトを手書きで書く。
- レイアウトを持って保健所へ相談へ行く。
- 保健所の指示通りに設備の施行をする。
- 保健所へ申請に行く。
- 保健所の方が内見にくる。
- 問題がなければ、許可がおりる
営業許可書を取得するまでの流れは以下の『営業許可取得の流れ|菓子製造業・飲食店営業許可・アイスクリーム製造業』で詳しく解説しておりますので合わせてご参照ください。
営業許可書別|出来ること出来ないこと
菓子製造業許可
テイクアウトする菓子・パンを製造・販売をする為に必要な営業許可証。
菓子製造許可で出来る事
- 焼き菓子製造・販売・ネット販売
- 生菓子製造・販売・ネット販売
- ジャム製造・販売・ネット販売
- パン製造・販売・ネット販売
- 和菓子製造・販売・ネット販売
- 調理パン製造・販売・ネット販売
- あんこの製造・販売・ネット販売
- 店内で飲料の提供
菓子製造業(パン・和菓子含む)・飲食店業・アイスクリーム製造業で出来る事と出来ないことがあります。
それぞれの営業許可書の内容を理解した上で取得するべき営業許可書を選択します。もっと知りたい方は以下で詳しく解説しております。
営業許可証と食品届出営業の違い
営業許可書が不要な業種が食品届出営業の対象。
食品届出営業は営業許可とは異なり、下記のような手間がかかりません。
更新の必要なし
取得手数料なし
有効期限なし
残念ながら菓子製造販売は該当しませんが菓子種製造業は該当します。『食品届出営業』について詳しく知りたい方は以下で詳しく解説しております。
営業許可と同時に考えて行かなくてはいけない事
お菓子屋さんの開業を考えた時『どんな設備が必要だろう?』『どんな許可を取得するべきか?』という疑問から検索してこのページにたどり着いて頂いたのではないでしょうか?
営業許可も大事ですが同時にどれくらいの資金が必要で、どんな機材が必要なのかどんな道具が必要なのか、も把握していく必要があります。
一連の流れについては以下の『お菓子屋さんの開業手順(資金計画〜オープンまで)』で開業手順を詳しく解説しています。
お菓子屋さんが必ず加入するべき店舗総合保険とは
お菓子屋さんを開業する際は必ず店舗総合保険やPL保険に加入してください。
お菓子屋さん開業に伴うリスクは以下の3つ。
店舗総合保険を詳しく知りたい方は以下で詳しく解説してるので確認してください。
店舗総合保険に加入するメリット
私が保険に入ってて、よかったと思えるメリットは以下の3つです。
リスクに備えた保証で、安心して運営ができる。
万全の態勢で経営していることで、信用が得られる。
故意や劣化ではない『不測かつ突発的に生じた損害』に対しての補償が受けられる。
思いもよらなかったメリットとして、什器が壊れたときに保証されたことです。私の保険のイメージだと『火災や水害が起きたときに保証がされる』でした。しかし、実際はもっと身近な事故に対しても対応されるということに驚きました。
詳しくは以下の『メリット|店舗総合保険で助かった。什器・機材の補償』にて詳しく解説して居ります。
まとめ
- 運営スタイルの明確化させ『菓子製造業の取得』のみで済むのか、『飲食店営業許可』も必要か考える。
- 未来の希望も考慮した設備作りで経費削減。
- 2021年の法改正で『菓子製造業』でも飲料の提供が可能になった。
- 同じ設備での『菓子製造業』『飲食店営業許可』はレイアウトによっては可能
- まずは構想を開業地域の保健所へ相談する
お店を運営して行く上で、準備段階からコンセプト設定やブランディングを行い、他店と差別化を行っていくことで、小さなお菓子屋さんでも運営がうまく進むようになります。
お店の運営についてのマーケティング戦略は以下で詳しく解説しています。